灰色ハイジのテキスト

サンフランシスコで働くデザイナーの日記とか考え事とか

12月9日 水曜日

ふと日記をつけようかと思って、こうしてブログの下書きを開いてみたけれど、日記なんて何年も書いていないので、どうやって書いたら良いのか分からない。(このブログに日記カテゴリーも一応あるものの、大抵何か1つの出来事を取り上げて記していて、ゲームやイベントの感想のようなものが多い)

何故書こうと思ったのか。ブログ記事を久々に書いてみて、文章がうまく書けないと気付いたので書く時間をとりたいと思ったことや、友人の武田くんがつけている日記を読んで素敵だと思ったからだ。1週間ごとに1つのページになっていて、さらにそこにタイトルが添えられている。

同じく友人の、そして武田くんのパートナーでもある淳ちゃんも、個人サイトの中で文章を書き始めた。

自分の文章を外部のブログサービスなどではなく、個人サイトの中で行う流れはこの1年でとても感じる。そういえば夫も自分のサイトにブログを移行していた。

他の人の日記を見ると、続けている人は、みんなそれぞれスタイルがある。タイトル部分に日付を入れたり、ナンバリングしていたり、あえて無題のままだったり。フォーマットが決まっているのは、続けるコツなのかもしれない。でもフォーマットを考えると、そこで悩んで書くのが止まりそうだったので、ひとまず日付を入れてみた。また、日記を書くにあたって、このブログのタイトルにつけていた「観察日記」も、もはやあまり意味がないと感じたので、「灰色ハイジのテキスト」に名前を変えてみた。

今週は丸1週間、仕事の休みをとっていて、今日は最近プレイし始めたサクナヒメをクリアした。この数日もやもやすると、ひとまずSwitchのコントローラーを手にとってプレイしていた。アクション部分が爽快で、無心になれる。

ゲームの合間に、週末行う講義の資料の準備をした。これも文章を書くのが下手になっていて、苦しいなぁと感じながら進めている。

日中、夫の方に良いニュースがあり、ビールを飲みながら2人で桃鉄をした。100年を少しずつ進めていて、残りあと42年ある。ビールを飲んだのが良くなかったのか、夕方以降だんだん気分が落ち込んできた。夫に「ベランダに出てきたら」と言われて外に出る。夜に出たことがなかったけれど、夜景が綺麗だった。何ヶ月も同じ家・風景の中で過ごしてきて、違う部分が見えて嬉しかった。

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ところで、はてなブログの日付は日本時間で表示されてしまうのだけど、変更する方法ってあるのだろうか。タイトルと表示の日付が異なっていて気持ち悪いね。 (その後、ひとまず手動で変えた)

居場所

三浦春馬さんの訃報にショックを受けた。最近は日本のドラマも観ていないし、推しと呼べるような俳優さんもいないのだけれど、キンキーブーツの映像をYouTubeで見てから、この人はすごい!と思い、何度も繰り返しみたり、彼の曲を聴いたりもしていた。いつか舞台も見に行ってみたいな、などと思っていたのだ。

彼のInstagramを見ると「こんなことするはずがない!」というファンのコメントがついていた。それを見たとき、周りから「こんなことをするはずがない=仕事に支障をきたさない、何事も頑張る姿勢」と思われるほどに真面目で、だからこそ弱音を吐けない辛さがあったのかな、とふと思った。

以前「逃げたっていい」というブログを書いたことがある。

「ドラマも舞台も決まっていて、新曲も出る。仕事は順調だったのに」そんな感じのコメントをどこかで見かけた。仕事が順調であることと、その人が心身ともに健康であることは違う。適度なプレッシャーは仕事に良い結果をもたらすかもしれないけれど、それが強まれば逃げられない強いプレッシャーとなってしまう。私は芸能界のことは全然分からないけれど、契約金などもあるだろうから、個人の意見で辞めたいと言うことは難しいであろうことは想像がつく。

それでも、それでも「逃げたっていい」と私は言いたい。

無責任だと言う人もいるかもしれない。実際に迷惑だってかかるかもしれない。それでも周りの人やファンの人は、またいつか会えること、ただ存在してくれることを望んでいたはずなのだ。 三浦さんだけでない。連日のニュースでは具体的な手法なども載せており、人々の心を掻き乱しているのではないかと思う。ニュースを見て不安に思った人にも言いたい。逃げたっていいんだよ。不安や悲しみで囚われているときは、フィジカルにもメンタルにも、いったん要因となっていることから離れることも大事だと思う。私は、社会が人の健康を第一優先し、人が回復できるまで寛容であれるようになって欲しいと思う。

これは自分に言い聞かせるためにも書いている。実はここ数週間メンタルにも身体的にも不調で落ち込んでいた。夫のサポートもあって今は回復してきている。もしも一人暮らしだったら、どうなっていただろうと思うことがある。普段なら会社に行って同僚と笑ったり、友達と会って回復していたような些細な悩みでも、この自粛期間中それも叶わず蓄積してしまったら...?

弱音を吐き出して受け入れてもらえる。そんな場所がオンライン・オフライン問わず大切なのかもしれない。

サンフランシスコ生活の中で起きた新型コロナウイルスにまつわること

3月に予定していた日本出張が、新型コロナウイルスの影響でなくなった。

2月半ば。日本ではすでに新型コロナウイルスが話題になっていて、Twitter上でも海外在住の方がいま日本に行ったら戻ってこれなくなるのではないかという心配をつぶやき始めていた。

同僚に「Are you exciting the Tokyo trip?(出張楽しみ?)」と聞かれたので「コロナウイルスが心配」と伝えたところ、チームのメンバーからは「全然大丈夫でしょ!アメリカではインフルの方が大変だっていうのに」と笑われてしまった。この時はサンフランシスコではちっとも話題になっていなかったのだ。少なくとも弊社では。

それでも翌週になると、PMから「How are you feeling about the travel to Tokyo?」というメッセージがきた。 今だにこのHowから始まる質問文は、何を答えたら良いのか分からず苦手だ。 「どういう意味?」と聞くと「先週コロナウイルスについて心配していたから」とのことだった。

何て返そうかなぁと少し悩みつつ「ウイルスそのものは健康な人は心配しすぎなくても良いのかもしれない。でも私の場合はビザでアメリカに滞在しているので、いま日本に行って事態が変わったら、アメリカに戻ってこれなくなる可能性もあるから、そのことについて心配している」と伝えた。

PMからは「私たちにはない悩みがあなたにはある。ビザとか。一人でも不安な気持ちがある状態で出張を行うのは良くない」という返信が来て、数日後には関係各所とも相談をして、正式に出張がなくなった。 当初はそれでもPMだけは行くという話も出ていたのだが、全社的に国外出張は当面控えることになった。

2月末、3月に入って会社のSlackでも新型コロナウイルスのニュースがシェアされたり、手を洗ったり消毒しよう、といったメッセージが投稿されるようになった。

サンフランシスコのいくつか大きな企業では全社的にWFH(Working from home)を命じているらしい。 弊社でもCEOから全社に連絡があった。箇条書きで、会社の方針や、個々人が気をつけることなどが書かれていたが、項目の一番上に書かれていたのは「Don't worry because worrying doesn't help anything. Do pay attention.(心配は何の役にも立たないので心配するな。注意を払え)」というメッセージだった。 正直なところ連日ニュースを見てはただ気を病むだけで、特にいいことはないなぁという気持ちだったので、トップからこういう言葉が発されるのは大事なことだと思った。

元々WFHやリモートワークには柔軟であったけれど、改めて体調が悪いときには自宅に待機することが言い渡された。 その時「Don't be a hero」と書かれていたのだが、調べてみると、ヒーローは自分自身が傷つきながら戦うことから、自己犠牲を伴って活動するな、という意味らしい。ヒーロー気取りで無理して働くな、というメッセージだった。

健康保険会社からのメール

私が加入している健康保険会社のKaiserからはこんなメールがきた。 手洗い、アルコール消毒は効果的、顔に手で触れない。体調が優れないときは自宅で過ごすこと。といったことが箇条書きで書かれている。内容自体は日本のニュースでもさんざん取り上げられていることだと思うけど、信頼のおける機関からこのように連絡が来ると分かりやすいし安心感がある。

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街の様子

特別いつもと変わりはないけれど、電車に乗っていると「coronavirus」と新型コロナウイルスについて話している声が聞こえてくることがある。アジア人が差別されるというニュースもあったので、正直"コロナ"と聞くだけで私が何か言われているのではないかと思ってしまうこともある。

アメリカでは予防のためにはマスクをしない。他の人にうつさないためにつけるもの、つまりマスクをつけている人は病人であるという認識があるので、マスクなどつけていたらかえって悪目立ちしそうである。マスクをつけるような状況であったら、まぁ家で大人しくしているべきなのだろう。たとえそれが花粉症などであっても。

スーパーでは何故かバナナが売り切れていた。もしかしたら輸入に関しては何らかの影響が出ているのかもしれない。

Eyeo Festival 2019 に行ってきた

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同僚に教えてもらうまで知らなかったのだけれど、アートとテクノロジーのイベント Eyeo Festival というものがある。すぐに売り切れちゃうから、ということで同僚がカレンダーにチケット発売日も入れてくれて、チームメイト数人で行ってきた。ありがたいことに会社がチケット代などをサポートしてくれた。

開催場所はミネアポリス。今回のイベントがなければおそらく行く機会がなかったと思う。

オーガナイザーの記事で、Eyeoの内容について説明するのに箇条書き以外の方法が思いつかない、とあるのだけれど「何々に関するカンファレンス」と言い切れるほど特定のトピックに絞られておらず、とにかくいろんなトピックが混ざっているフェスティバルだった。アート、テクノロジー、データビジュアライズ、ジャーナリズムなどなど。

Walker Art Centerという美術館で行われたのだけれど、登壇会場が建物内の離れた場所に2箇所あって、しかも同時に2つ開催されるため、全部の講演を聞くことは不可能だった。しかし、そのどちらに行ってもハズレがないくらい良い登壇者が集まっていた。

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以下はメモ。

Nadieh Bremer、フリーランスのデータビジュアライゼーションデザイナー。彼女が関わっているプロジェクトのプロセスを紹介してくれたのだけれど、圧巻だった。また、データを見せる際の配色などにも気を配っていて、アウトプットがとにかく美しい。 Why do cats and dogs...? は彼女がGoogleと一緒に取り組んだプロジェクト。多くの猫と犬に関する検索では「Why」から始まるものが多いのだそう。そこで彼女はWhy do(are) cats...の後に続く言葉をビジュアライズして、その結果をインタラクティブに見れるものを作った。Eyeoでは最終のアウトプットに至るまでのプロセスを紹介してくれた。

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Moritz Stefaner、彼もまた圧巻のデータビジュアライゼーションの数々を見せてくれた。また、考えさせられる言葉や投げかけが多かった。

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Grow bigger or grow finer: 発展はただ大きくなることだけじゃなくて、良くなること。

持続可能なデータビジュアライゼーションデザインの原則:

  • Data-driven, user-centric: 1) Build towards actual needs 2) with data people actually care about

  • Own platform, open technologies

  • The real work starts after you are "done"

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Death by Chocolateは3Dプリントで型取って作られた棺のチョコレート。中にはベルギーで最も多い死因が詰められている。

Daniel Shiffman、プログラミングについて教えている人。Eyeoでは観客を巻き込んでのLive Codingをやってくれた。Eyeoで初めて知ったのだけど、めちゃくちゃエンターテイナー!話し方とか盛り上げ方がうまい。帰ってから彼のYouTubeを見たけど教え方も丁寧で分かりやすかった。今回はp5.jsとml5jsで簡単なゲーム作りを行っていた。 Teachable Machineで、その場で観客にぬいぐるみやお菓子を持たせてカメラで撮影したものや、観客の拍手の音を学習させて、それを使ってキャラクターをレースさせるゲーム作ってた。途中エラーがでた時も観客が「ファイル名にスペースが入ってる」って反応して一緒になって作ったり、「大丈夫バックアッププランがある」って言って3分クッキング的に用意済みのコードを持ってきたりとかとにかく飽きない1時間だった。

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Daniel ShiffmanのCoding Train

Lauren Mccarthy、彼女の実験的なアート作品の数々が面白かった。Followerは、フォロワーを増やしたい、知らない人に見られたいという欲求を表現するために、本当のフォロワー=物理的にあなたのことをウォッチする人を提供するサービスにしたアート。LAURENは、人間版Amazon Alexaだ。作家本人がカメラやマイクで24時間365日間参加者の家と遠隔で繋がる、彼らのニーズを予測して反応できるので、AIよりも優れているーというものだ。AIスマートスピーカーが普及していく中で将来どうなっていくのか、人間の役割はどうなっていくのかという示唆に飛んでいる。彼女の作品はどれも面白かったのだけれど、さらに彼女が面白いのはp5.jsの開発に携わっている点だ。

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Refik Anadol、Closing Partyで発表してくれたメディアアーティスト。もう圧巻の一言。彼は自分の作品を「Parametric data sculptures」と呼んでいるけれど、街のデータなどを視覚的に表現した上でそれを建築物に埋め込んだインスタレーションを発表している。

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Diana Nucera、ラストを飾ってくれたアーティスト。別名Mother Cyborg。Detroit Community Technology Projectのディレクターでもある彼女はデトロイトでのプロジェクトを紹介してくれた。デトロイトでは70%の学校に通う子供が家でインターネットに接続できる環境がない。(モバイル、固定回線の両方ともない)光ファイバーは通っているけれども、貧困地域内では、電気通信事業者は良いサービスを提供しないか、光ファイバーを使える状態にすらしないらしい。そこで独自のインフラを築いて彼らがインターネットに接続できるようにしたそう。

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他にもさまざまな登壇者がいたり、毎晩別の会場で参加者同士が繋がれるイベントがあってとても濃い4日間だった。‪席で隣になった人に話しかけたり、はじめて会った人と一緒にパズルやミニゴルフしたり。‬とても多くのことがあって、すべてをうまく書き表せない。

私が見た登壇についてはNotionにまとめたので、もし興味がある人がいれば。

オーバークック2

先日夫が友人の誕生日パーティーから帰ってくるなり「オーバークックしよう!」と興奮気味に話してきた。私はその日体調が悪く家で寝こんでいて行けなかったのだが、その友人宅で一緒に遊んだらしい。

いつもと違う様子で、夫がとても盛り上がっているのですぐさまSwitchで購入した。 どんなゲームかと言うと、オーバークックとは友達と協力プレイでお客の注文に合わせて料理を作るゲームだ。

Overcooked 2 - オーバークック2|オンラインコード版

Overcooked 2 - オーバークック2|オンラインコード版

画面左上にお客からの注文が並ぶので、その通りに材料を組み合わせるのだが、お米は炊かないといけないし、材料は切って、お肉なんかは焼かないといけない。とにかくいろんなことを短時間に要求される。

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その上こういう風に厨房が別れていたりする。どう考えても厨房設計がおかしい。ワタワタしたり、自分のやることないかな?と立ち止まっていたところ、夫には「皿でも洗ってろ!」と言われる始末...。 効率よく料理を作ることを瞬時に行わなければいけない。

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料理を作る以前にこの中央のいかだの操作などが圧倒的に下手。よく水場に落ちる。

とてもハードだけれど、慣れてくると一発でクリアできるステージもあって、ゲームなのに労働終わりのような謎の充足感が得られる。達成したポイントによって付く評価・星が異なるのだが、毎回星3つ(最高評価)をとってから次のステージを進むことにしている我が家。現実世界で夕ご飯を食べ終えてから、寝る前に少しずつ進めている。

我が家は2人で遊んでいるけれど、最大4人まで遊べるのでパーティーゲームにぴったりである。Switchは持ってるけど友人が来た際に遊ぶものがないと思っている人にはぜひおすすめ。