灰色ハイジのテキスト

サンフランシスコで働くデザイナーの日記とか考え事とか

サンフランシスコ生活の中で起きた新型コロナウイルスにまつわること

3月に予定していた日本出張が、新型コロナウイルスの影響でなくなった。

2月半ば。日本ではすでに新型コロナウイルスが話題になっていて、Twitter上でも海外在住の方がいま日本に行ったら戻ってこれなくなるのではないかという心配をつぶやき始めていた。

同僚に「Are you exciting the Tokyo trip?(出張楽しみ?)」と聞かれたので「コロナウイルスが心配」と伝えたところ、チームのメンバーからは「全然大丈夫でしょ!アメリカではインフルの方が大変だっていうのに」と笑われてしまった。この時はサンフランシスコではちっとも話題になっていなかったのだ。少なくとも弊社では。

それでも翌週になると、PMから「How are you feeling about the travel to Tokyo?」というメッセージがきた。 今だにこのHowから始まる質問文は、何を答えたら良いのか分からず苦手だ。 「どういう意味?」と聞くと「先週コロナウイルスについて心配していたから」とのことだった。

何て返そうかなぁと少し悩みつつ「ウイルスそのものは健康な人は心配しすぎなくても良いのかもしれない。でも私の場合はビザでアメリカに滞在しているので、いま日本に行って事態が変わったら、アメリカに戻ってこれなくなる可能性もあるから、そのことについて心配している」と伝えた。

PMからは「私たちにはない悩みがあなたにはある。ビザとか。一人でも不安な気持ちがある状態で出張を行うのは良くない」という返信が来て、数日後には関係各所とも相談をして、正式に出張がなくなった。 当初はそれでもPMだけは行くという話も出ていたのだが、全社的に国外出張は当面控えることになった。

2月末、3月に入って会社のSlackでも新型コロナウイルスのニュースがシェアされたり、手を洗ったり消毒しよう、といったメッセージが投稿されるようになった。

サンフランシスコのいくつか大きな企業では全社的にWFH(Working from home)を命じているらしい。 弊社でもCEOから全社に連絡があった。箇条書きで、会社の方針や、個々人が気をつけることなどが書かれていたが、項目の一番上に書かれていたのは「Don't worry because worrying doesn't help anything. Do pay attention.(心配は何の役にも立たないので心配するな。注意を払え)」というメッセージだった。 正直なところ連日ニュースを見てはただ気を病むだけで、特にいいことはないなぁという気持ちだったので、トップからこういう言葉が発されるのは大事なことだと思った。

元々WFHやリモートワークには柔軟であったけれど、改めて体調が悪いときには自宅に待機することが言い渡された。 その時「Don't be a hero」と書かれていたのだが、調べてみると、ヒーローは自分自身が傷つきながら戦うことから、自己犠牲を伴って活動するな、という意味らしい。ヒーロー気取りで無理して働くな、というメッセージだった。

健康保険会社からのメール

私が加入している健康保険会社のKaiserからはこんなメールがきた。 手洗い、アルコール消毒は効果的、顔に手で触れない。体調が優れないときは自宅で過ごすこと。といったことが箇条書きで書かれている。内容自体は日本のニュースでもさんざん取り上げられていることだと思うけど、信頼のおける機関からこのように連絡が来ると分かりやすいし安心感がある。

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街の様子

特別いつもと変わりはないけれど、電車に乗っていると「coronavirus」と新型コロナウイルスについて話している声が聞こえてくることがある。アジア人が差別されるというニュースもあったので、正直"コロナ"と聞くだけで私が何か言われているのではないかと思ってしまうこともある。

アメリカでは予防のためにはマスクをしない。他の人にうつさないためにつけるもの、つまりマスクをつけている人は病人であるという認識があるので、マスクなどつけていたらかえって悪目立ちしそうである。マスクをつけるような状況であったら、まぁ家で大人しくしているべきなのだろう。たとえそれが花粉症などであっても。

スーパーでは何故かバナナが売り切れていた。もしかしたら輸入に関しては何らかの影響が出ているのかもしれない。