サンフランシスコ・ベイエリアで屋内避難命令が出た

先日、3月7日に以下のブログ記事を書いてからサンフランシスコでは大きく事態が変わった。

サンフランシスコ生活の中で起きた新型コロナウイルスにまつわること - 灰色ハイジの観察日記

(表記しているのは現地での日にち)

3月11日

弊社 All TurtlesのCEOより、ワーキングポリシー変更のお知らせがある。

この間までは、家で働きたい人にはWFH (work from home)を許可するというステータスだったものが、自宅で働くことが推奨に変更される。ただしオフィスは空いているので、自宅で働く=カフェで働くならばオフィスを使うようにとのお達し。2週間様子を見て、事態によっては完全に自宅で働くことが強制になるとのことだった。

そもそも、このワーキングポリシーが明文化されたものを見たことがなかったので、今回新たに作ったものだと思うのだが、レベルが1-5まで設定されていてとても分かりやすかった。

新型コロナウイルスを笑っていた同僚も、不安な気持ちを吐露するようになった。アメリカでは本当に何の心配もなく人々が過ごしていたものが、ようやく彼らにも深刻な事態として受け止められたようだった。

3月16日

「サンフランシスコ・ベイエリアに住む人への屋内避難命令」が出た。 これで最低限の買物等を除き、3週間は外出禁止となった。

※ 文字に誤りがあって、正しくは戒厳令。公式のアナウンスではこの言葉は使われていないようで(英語ではmartial law)、戒厳令という言葉が適切かは分からない。Twitterを検索するとつぶやいている人は見かけた。少なくとも公式には「mandatory order(強制命令)」という強い言葉が使われている。

街の様子

今月頭には、マスクをしているのはアジア人くらいだったけど、Whole foods(スーパーマーケット)にいったら、マスクをしている人が多く見受けられた。棚の商品も大分空になっている。

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政府のウェブサイト

政府の公式サイトには、この強制命令に関する情報がとてもよくまとまっている。ニュースサイトで情報を拾うよりも分かりやすい。 sf.gov

Shelter in placeって?

今回ニュースの見出しにも使われていた「Shelter in place」という言葉。初めて聞いたのだけれど、公式サイトに説明があった。

屋内に避難をすることを指す言葉で、生活に必要な場合(病院や食料品の買い出しなど)を除き、自宅に留まることらしい。ウイルスの拡散のピークを遅らせるための措置として実行されたことが書かれている。

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ウェブサイトに書かれている内容

営業が続くもの

  • 市/郡政府のサービス:警察署、消防署、病院/診療所、医療業務、刑務所、裁判所、ごみ/衛生、交通機関、水道、電力、ガス、市役所
  • ガソリンスタンド
  • 薬局 *食料品:食料品店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど
  • 金物店/配管工
  • 銀行
  • コインランドリー

営業禁止になるもの

  • 飲食店 (ただし、持ち帰りと配達のみ営業可)
  • バーとナイトクラブ
  • エンターテイメント会場
  • ジムとフィットネススタジオ

してはいけないこと

  • どんな規模でも集まってはいけません。
  • ディナーパーティーはできません。 友達を家に招いで遊ぶことはできません。
  • バーやナイトクラブに行くことはできません。
  • ネイルサロンに行ったり、美容室や床屋で髪を切ったりすることはできません。
  • 生活必需品以外の買い物をすることはできません。
  • 公共交通機関や車やバイクで不必要な旅行をすることはできません。

その他、こんな時はどうしたら良いのか、という疑問も事細かにQ&A形式で書かれている。

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  • 運動のために外出しても良い?
  • どんなスポーツをしても良い?
  • 教会に行ってもいい?
  • 現在休暇で対象のエリア外にいるけど、家に帰ることは許されますか? など

ベイエリアらしいと思ったのはこんな質問もカバーされていることだ。

I work for Apple, Google, or another large technology company that provides products and services that the public needs to access critical services. Is my company being shut down?

Apple、Google、または人々が重要なサービスを提供している大手テック企業で働いていますが、会社は閉鎖されますか?

social distancingって?

外へ出るときの注意事項として度々お目にかかるのが「social distancing」の文字。社会から距離をとるという意味で、他人との接触をさけること。気分転換のために外で運動をしたり、散歩をすることは許されているが、その際も人の距離は6フィートあけること、とある。

今の心境

通常のリモートワークであれば、気軽にカフェへ行って気分転換もできるが、今はそれもできない。従業員の安全のために閉めるカフェが多いからだ。連日のように今まで購入したお店から案内のメールが届く。家で働くことは可能とはいえ、少なからずこの状況に気分が落ち込んだり不安を感じている。しかしこの状況下でビジネスを畳まざるを得なかったり、レイオフをしている企業もあると聞く。働け続けられる私はいまとても恵まれた状況だろう。

会社では、リモートワークに関するtipsを共有しあうチャンネルもできた。オフィスではランチが提供されていたので、同僚にランチの時間だよ!と声をかけられランチを忘れずに食べていた。家にいると、つい忘れてしまうこともあるかもしれないので、ランチ時間をカレンダーに入れると良い、というコメントを私は投稿した。

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こんなときだからこそ、食べて、運動して、寝ることはとても大事だと思う。

新潟のお雑煮

お正月は、大石家のお家で過ごした。 夫は毎年福岡流のお雑煮を作っているのだけれど、私は地元新潟のお雑煮を一度も作ったことがなかった。以前、母親に我が家のお雑煮って何が入ってたっけ?と尋ねたLINEの履歴が見つかったので、人生で初お雑煮を作ってふるまった。

まず我が家の雑煮で特徴的なのは、打ち豆だ。新潟の保存食で、大豆を煮てそれを木槌などで打ち乾燥させたものである。こうすることですぐに味が染み込むので、お雑煮の煮込みの最後に加えるだけで食べられるということらしい。

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打ち豆の作り方
  1. 大豆を2時間くらい水につける
  2. 鍋に水と1の大豆を入れて沸騰させる。大豆が浮き上がってきたら取り出す
  3. 大豆を1粒取り出してクッキングシートで包んで、まな板などの上でハンマーで一思いに叩く
  4. 網に乗せて乾燥させる
  5. 使う時はぬるま湯に6-7分つけて戻す

これ本来ならば保存食なのでもっと前に作っておいて、使う時にすぐ使えて便利、というものだと思うのだけれど、乾燥させたのが前日だったので、何だかよく分からない手間になってしまった。でも子どもの頃おばあちゃんが打っていたのを思い出すと、これが我が家の雑煮だなぁと感じるのであった。 あとの具材は母親によれば、ゼンマイと細長く切った大根と、あとは適当に入れるとのことだった。ゼンマイはサンフランシスコにある日本のスーパーNijiyaでは手に入らなかったのだが、大根、鶏肉、こんにゃく、ねぎ、しいたけを入れた。 味付けは昆布と鰹節で出汁をとって、醤油ベースの味付け。

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Twitterでアメリカに住む日本人の方が、伝統的なお正月を過ごしている気がするというつぶやきを見かけたのだけれど、確かにそんな気がする。サンフランシスコは日本ほどの四季はないし、お正月くらいはその季節らしいことをして過ごしたくなるのかもしれない。

アメリカで初めて病院(Kaiser Permanente)に行ってきた

サンフランシスコに引っ越してきて1年が経つというのに、病院にまだ行ってなかった。特に困っていることはなかったのだけれど、アメリカではプライマリードクター(かかりつけ医)を決めておかないと、いざ病気や怪我をした際に診療が受けられないとのことだったので最初のアポをとらないといけなかった。

というのは夫に説明を聞いて、入っている保険のKaiserのウェブサイト経由でプライマリードクターは決めたものの、病院に行けずにいた。

病院になかなかいけずにいた主な理由は...

  1. 最初のアポって何話すの?
  2. そもそもそういった仕組みの流れがウェブ見てもよく分からない
  3. 通訳サービスがあることは分かったけど、どうやって利用するの、当日でもいいの?

日本人のブログも見たのだけれど、妊婦さんの体験記や旅行時の利用では見かけるものの、日常利用での体験記はあまり見つからなかった。たぶん普通のことすぎてみんな難なくこなしているんだろうけど、私にはとてもハードルが高かった...。

そんなこんなで、難しい、面倒くさいとなって放置していたのだが、ようやく重い腰をあげて予約をとって行ってきた。(ウェブからも、アプリからも予約ができて便利)

通訳サービス

結局通訳サービスは事前によく分からなかったものの、受付で「Could you arrange a Japanese interpreter?(日本語の通訳を手配できますか?)」と聞いてみたところ、電話通訳を準備してくれた。事前予約が必要だったらどうしようというのが懸念材料だったけど、当日でもいけてホッとした。

診察室に置いてある専用電話で通訳サービスに繋いでくれて、スタッフやお医者さんとの会話をその電話越しに通訳してくれる仕組み。

簡単な質問には直接英語でやりとりした方が早いけど、専門用語など分からない単語がちょくちょくあるので通訳をお願いして良かった。

ただ、診察室の中だけなので、それ以外のやりとりは最低限話さないといけない。(1年前の自分だったら、それすら難しい英語戦闘力だったので、このタイミングで良かったのかもしれない)

身体検査

受付の人に「physical exam」と言われしばらく待っていると、スタッフの人に案内されて体重と血圧、体温を測った(おでこで測るタイプだった)。

身長は?と聞かれてinchが分からないんだけど...と言うと、cmでもいいよとのことだったので、cmで答えた。自分の身長くらいちゃんとアメリカの単位で言えるようになっておいた方が良いですね。。

Kaiserに来るの初めてだから子宮頸がん検診を受けたほうが良いとそのスタッフの人に言われ、その場で検査日を予約した。

病院に行くだけで次に何をするべきかがすぐに提示されるの良い。

初診

スタッフの人が退出してしばらくすると事前に指名していた先生が入室した。

Kaiserのウェブサイトで事前にプライマリードクターにしたい先生を指名できる。日本人が良かったけれど近くの病院で、新しい患者さんを受け付けている人がまったく見つからなかったので、アジア人英語に慣れている人が良いなと思い、マンダリンも話す先生にしてみた。

何か困りごとはありますか?と問診が始まった。日本だと自分で自分の病状にあたりをつけてその科にピンポイントで訪問しなければならないので、こうした自分の先生を決めて相談できるというのは良い仕組みだなぁと思った。せっかくなので、些細なことでも気になっていることを相談してみた。

また、アメリカでコンタクトレンズをまだ買ったことがなかったので、この病院で眼科検診ができるか聞いたところ、眼科への紹介状をすぐさま出してくれた。

眼科検診

今日すぐにでもOKとのことだったので、初診後にそのまま眼科のフロアへ。行った時は12時過ぎで「先生はランチに出かけていて戻ってくるのは1時間後になるけどどうする?」って言われたので、オンラインか電話で別日に予約することにした。

薬局

初診で薬を処方されたので、同じ建物内にある薬局に。薬を受け取って説明を受ける時に「I don't feel comfortable speaking English.」と言ったところ、「OK 先生から説明は受けた?」と聞かれ、1回に何回飲むのか、など簡単な説明だけ聞いて受け取った。 その薬剤師さんが「わたし日本語1つだけ知ってるの...えっと...ありがとう!」と言って癒やされた。

血液検査

貧血調査のため、血液検査も受けてきた。注射が怖くて不安って言うと「細い針だから大丈夫」と言ってくれて、実際あまり痛くないまま終わった。日本に居た頃、注射後フラフラしたりするので毎回横になってとらせてもらったりしていたので、無事に終わってホッとした。

人が明るい

ところで病院の廊下で、次にどこに行ったら良いか分からなくてウロウロしてると必ず誰かが道案内してくれた。東京で行っていた病院では、常にスタッフの人も忙しそうで表情もピリピリしていてあまり良い印象がなかったんだけど、みんなフレンドリーだし明るくて、今まで頂いたいた病院のイメージとまったく違った。

参考記事

アメリカで医療を受ける際に英語が不安な人向けに、Q&Aをまとめてくれているブログ。

She is コンプレックス特集

She isのコンプレックス特集に回答したものが掲載されました。

コンプレックスとはなんでしょう? 多くの人がその言葉でとらえているものに苦しめられてきた記憶と個人史を持ちながらも、その内容や向き合い方はもちろん人それぞれです。She isの特集「Dear コンプレックス」の一環として、なぜコンプレックスが生まれるのか? どんな影響を与えられ、そこからどう自らを救い出すことができるのか? そんなことを探るべく、今回は次の3つの問いかけをShe isのGirlfriendsの方々におこなって、50人の方に回答していただきました。

私は「正面から飛び込んでみる」。英語が話せない、中学校に通ってなかったために義務教育で勉強していなかったがコンプレックスだったのに、今なぜかアメリカに住んで体当たりで取り組んでいるなんて。怖くても正面から向き合うことで何か見えることがあるのかもなぁと思う。

夫の誕生日にギアを贈る話

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あまり恋愛が長く続いたことのない人が結婚して悩むこと、それは誕生日プレゼント。はい、私のことです。同じ人に毎年贈り物をするのって大変なのね〜・・・!ということをこの年になって初めて実感しました。

まず去年贈ったのはHATRAのパーカー。

Bithday gift from @haiji505 #hatra

Kengo Hamasakiさん(@hmsk)がシェアした投稿 -

夫はたくさんのパーカーを持っている。とにかく毎日ローテーションで違うパーカーを着ているので、そんなワードローブに追加してもらえたら良いなぁとの思いだった。

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家庭用Slackの活用方法:掃除のリマインド

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実のところリモートライフよりも、一緒に住む時間が最近増えてきた。2年近く一緒に過ごしてきた中で初めて共同生活をしているのだ。寂しさを除けば離れて暮らした方が双方楽だろうな、と思うことの代表例が生活スタイルの違いというものだろう。

私のほうがズボラで、夫のほうが几帳面である。そうなると掃除の頻度に対しての「お互いこれくらいだと気にならない」が異なる。往々にしてここでストレスを抱えるのは几帳面な夫の方である……。日中は私が家にいることもあって「ルンバを走らせておいてほしい」と夫に言われたのだけれど、すっかり2週間も走らせるのを忘れてしまい夫をガッカリさせた。

ボタンをぽちっと押す*1ことすら出来ないひどさである……。すみません……。

なんだか申し訳ないな、と思いつつも「なんとなくやる」だといつまでたっても実行できないので、家庭用Slackにリマインダーを飛ばすことにした。

*1:タイマーで自動で走ってくれるルンバもあります。うちのは値段が安い方でタイマーがない。これから購入する人にはタイマー付きをおすすめしたい…! 

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最初で最後かもしれない初詣の夜

この年末年始、夫は日本に帰国できず、私は私で観光ビザでの滞在だったので日本に戻らねばならず結婚して初めてのお正月は悲しいことに別々で過ごすことに。
私は実家で両親、兄弟と過ごした。

元旦に親戚で夕食を食べて帰ってきた後に、父親が初詣に行こうと言う。
そこで珍しく妹が「歩いていけばいいじゃん」と言い出すので、深夜に両親、妹、私の4人で徒歩30分ほどかけて神社へと向かった。

神社へ着くと、父親が妹や私をカメラで撮影をはじめたので、私も妹を撮影してみた。

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時間はこのとき22時くらい。
てっきり31日のノリでお店も深夜まで空いているだろうと目論んでいたら、どこもお店はやっていなく、とぼとぼ歩く私たち。

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ラーメンが食べたかった、と言い出す父だったが、しばらく歩いたところでお鮨屋さんを見つける。
そろそろ店じまいをするところだったそうだが、入れてもらうことができた。
「この街に引っ越して20年経つのに、家族でお正月の夜に神社に来るのは初めてでして」と大将と会話をする父。

そうなのだ。私はもう結婚したのだし、本来であれば今日こんな風に4人でお正月を過ごすことなどなかっただろう。

あとで調べたら、初詣の帰り道は、福をこぼさないように寄り道をしてはいけないらしい。あの夜のお鮨屋さんで福をこぼしてしまったかもしれない。でも素敵な夜だった。


今年も良い一年でありますように。

リモートライフを支えるサービス

婚約をしてからそろそろ10ヶ月ほど経とうとしているが、この夏ようやく2人の籍を作った。
私の婚約エントリーからバトンを繋ぐように結婚については、はまちゃん id:hxmasaki がエントリーを書いた。

籍を作ったその週の終わりには夫であるはまちゃんはサンフランシスコへと帰っていった。つまり新婚生活は早々に遠距離生活となった。
「遠距離恋愛」や「単身赴任」という言葉があまりにもしっくり来ないため、婚約当初から私は「リモートライフ」と呼ぶことにしている。そう呼んでいる為か、いわゆる同居をする新婚生活ではないかもしれないが、これが私たちの新婚生活なのだ、と胸を張って言うことが出来る。

リモートライフにあたって、この10ヶ月の間に2人でいろいろ試してみたことがある。

離れていても同居生活をする

apeear.in + Chromecastで常時部屋を繋ぐ

まず導入したのは、リモートワークでも導入しているであろうビデオチャットだ。
使用したのは、apeear.in。鍵付きの部屋を作っておき、2人のアカウントならばすぐに接続出来る設定にした。

贅沢にもカメラ専用端末としてNexus 5Xを使用。カメラとして使用しているだけなので、何でも良かったのだけれど、Chromecastに繋ぎたかったので、Android端末は好都合だった。Androidでapeear.inを立ち上げ常時自分の部屋をはまちゃんが見れるようになった。
はまちゃんの方も同様に、appear.inでサンフランシスコの部屋を写してくれている。
それをテレビの大きめの画面にChromecastで繋ぐと、隣の部屋にはまちゃんがいるような感覚を得られた。

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「部屋を常時お互い見られるようにするのって嫌だわw」というのがこの話を聞いた人の大抵の反応なのだけれど、もしこれが同居しているのであれば同じことではないだろうか?というのが私たちの意見だった。リモートライフにおいて、離れていながらどうやって一緒に住んでいるように設計出来るか、というのが私たちの課題だった。
また、これは同居の手前の実験にも使えると思っていて、カメラ越しに一緒にする生活に苦を感じない関係ならば、リアルに一緒に住んでもやっていけるだろう。

音声はLINEがいいぞ

映像を常時つなぎながらも会話したい時は、LINE通話を使用した。というのも、LINEが一番音質が綺麗だったのだ。途切れることもなくストレスが少ない。毎日通話を、数時間繋ぎっぱなしの生活を続けているけれど、本当に素晴らしい。
f:id:haiji505:20160822092547p:plain:rightリモートライフではテレビゲームも重要な一つで、スプラトゥーンを2人で一緒によく遊んでいるのだけれど、ゲーム中にもLINE通話はベスト。春からグループ通話にも対応するようになったので、かつてのはてなアルバイト仲間4人でタッグマッチを組みながらグループ通話もしてみたけれど、複数人で喋っても音質変わらず。感激した。
何やらLINEの宣伝のようになってきたけれど、通話は本当におすすめである。

→UIはこんな感じ。メインで話している人のアイコンがハイライトされて分りやすい。

クリスマスディナーもリモートで

2人で初めて過ごすクリスマスも当然海の向こうだったので、リモートでクリスマスディナーをした。
お互いにお酒を食事を用意して、顔を見ながらディナーを楽しんだ。時差があるので、日本の18時、サンフランシスコの0時とか、そんな時間帯だった気がする。
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クリスマスに限らず何度かリモートで家飲みを楽しんだ。
尚、appear.inの鍵付き部屋は許可していないユーザーが訪問すると「ノックする」という動作があるのが気に入っている。二人の部屋にリモートで友達も呼んで飲み会してもいいかもね〜なんてことを二人で語り合ったりもした。(結局まだ実現はしていない)

失敗点

尚、これを実践した月に電気代が1万円を超えたので、起動しっ放しのテレビが影響したのではと思っている...。リモートライフの為にはPC用の液晶ディスプレイの方が良い気がする。
また、Androidもカメラをずっと立ち上げたままだと熱くなって固まることもしばしばだった。
テレビ会議用の専用ハードなどを使えば良いのかもしれないけれど、個人で手軽に買える範囲だとまだまだ課題はあるのかもしれない。


一方、はまちゃんはChromebitを使用。快適そうだった。

ネットを介した現代の「ただいま」「おかえり」

物理的な距離と、時差によって訪れた困難は「いつお互いが家に帰っているの?」ということだった。些細なことのように思えるけれど、場所も時間も離れているといつ話しかけていいんだろう??と様子を伺うことが結構なストレスになることが分かった。

IFTTTを使って「ただいま」も位置情報で自動投稿

毎日話しかけるタイミングが掴めるようにと、お互い小まめにやりとりしていたが、「ただいま」や「行ってきます」などの発言がルーチンワーク化してきた。
そこで、IFTTTのアプリを使用することにした。IFTTTのアプリ版ではiOSの位置情報をトリガーにすることが出来る。
自宅を出たら「行ってきます」、近づいたら「ただいま」をSlackに投稿するIFTTTレシピを作った。

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挨拶すらもbotにしていくのは私たち夫婦らしくて気に入っている。

しかしこれも位置取得の精度やタイミングがまだ微妙で、うまく送信されないことも多々あるのが課題だ。

リモートライフで感じる家族の形態

リモートライフを経て結婚して良かったことは、物理的に離れていることで、2人の絆をどうやって築くのか?ということをお互いに考えられたことだ。
本来距離が近くても考えるべきことを、離れることで強制的に"考えなくてはいけない"環境になったのだ。
今後も数ヶ月ごとに日本かアメリカで会いながら、リモートライフは続きそうだけれど、最初から離れていたのできっと今後何があっても大丈夫だろうという気がしている。
リモートワークが、物理的な距離を越えてどう一緒に仕事をするか?ということを考えるきっかけになったように、リモートライフを通じて、現代の家族の在り方を考えていけたら良いなぁと思っている。

長年の友人が突然婚約者になる話

去年はいろんなことがあり、退職の次に訪れた人生のイベントとしては、年に数回飲むかつてのはてなバイト仲間の友人 @hmsk が、気づけば突然婚約者になっていた。



San Francisco by Haiiro Haiji on 500px.com


女友達にこの話をすると「ハイジ、スキップしないで順を追って言ってよ〜」と言われるのだが、ことの顛末を語っても端折っているように思われるらしい。

ことの顛末はこう。去年の無職期間に私はいろんなところに旅行をしていて、そのうちのひとつとしてかつてのバイト仲間の住むサンフランシスコに行ったのだった。長年インターネットに関わる仕事をしている身として訪れたい場所だった上に、夏に彼が帰国した際、「あのサービスをつくっている会社が目と鼻の先で、あの会社はこんなところにあって...」などと自慢をされたら、気にならない訳がない。しかも無職という何ヶ月も時間がつくれるタイミングだ。「遊びにおいでよ」という社交辞令を社交辞令ともとらずに遊びに行った私。


旅行初日に嫌いなチーズの洗礼は受けたものの、約1週間の滞在中、観光案内や好きな企業へ遊びに行くのも付き合ってくれて、この旅を終えたら再び仕事頑張れそう、と元気をもらった。

何日めかの夜に、DiFaでもおなじみのゆかちゃん夫妻にPinterest社内を案内してもらいつつ、4人で牡蠣を食べた。
ほろ酔いの中、Swarmで呼びかけたところmiyagawaさん、higeponさんなどサンフランシスコに住む夫妻も何組か2軒目から合流する多幸感。素敵な夫妻に囲まれながら彼に「私たち以外はみんなご夫婦だね笑」なんて、言っていたりした。最終的に3軒はしごして結構酔ったな〜と思いながら帰っているときだった。突然プロポーズをされたのは。

たぶんこの辺りで、話を聞いている人々は「いやいや、突然って言ってもサンフランシスコに行く前とか、いい感じだったんでしょ」と思うらしいのだけれど、年に1・2回の彼の帰国の際にバイト仲間の数人でわいわい飲むくらいの交友関係だった。サンフランシスコの飲み会の場でも「彼の飼ってる猫に会うのが旅の目的の8割くらい占めてるんですよね」と呑気に言っていたりした。

それがだ。帰り道で突然「け、結婚?」と、既に酔っていて回っていない頭が真っ白になった。
それまで手だって繋いだこともないような間柄だったのに。

写真は嘘をつかない

この話をするとよく聞かれるのが「よく友人と恋愛関係になれるね」というもので、しかもこの発言をするのは決まって全員女性だ。
よく聞く話として、女の人は一度男性を友達フォルダに入れたらなかなか恋愛対象には見れないのかもしれない。
私も突然プロポーズされて返事をするまでに一番悩んだのはそこだ。人として大好きで尊敬する友人であることは間違いないけれど、恋愛としての好きになるんだろうか?と。


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いろいろ悩んだり考えた結果、帰国した2日後にはOKの返事をするのだが、決め手は旅行中に撮られた写真たち。滞在中、ずっと彼に自分のiPhoneを渡しては撮ってもらっていた。そこに写る自分の表情や、他の人に撮られた彼と並んだ写真を見て、なんだかしっくりきたのだ。自分の気持ちに人は知らない間に嘘をついてしまうこともあるけれど、写真は嘘をつかない。
大抵私は人と会うときは緊張した作り笑いが多いのだけれど、自然に笑った表情ばかりでこれが一生続くのならこんなに幸せなことってないかもな、と思った。

https://www.instagram.com/p/86r5VcNmyF/
スタンフォード大学。めちゃくちゃ広くて良い環境だなー....!!
旅行中にアップしていた写真には「ハイジちゃん用のドローンがずっと飛んでるんだろうな」とコメントをもらったりもし、専属カメラ用ドローンと化していた彼。

初めからプロポーズであることの安心感

プロポーズだったから返事をした、というのも私の中では大きい。これが「付き合おう」だったらしばらく考えた挙句に断っていたかもしれないな、と思う。いきなりの海外遠距離恋愛、しかも3年以上人と付き合ったことのない私が、7年来の友人と恋愛関係になることで、友人関係すら終わってしまう可能性を危惧していただろう。
それが、一生居たいと思ってもらえる中で愛を築いていけるのは、恋愛よりも安心感があって良い。
順序は逆かもしれないけれど、プロポーズ後から恋人らしい付き合い方になった。

婚約したぞ!と去年の年末は当人の間だけで浮き足立っていたのだけれど、この週末に実家に二人で挨拶に行き、ようやく正式に婚約というステータスになった。
彼はまたサンフランシスコに帰ってしまうので、しばらくは遠距離結婚となる見込み。私はこれをリモートライフと呼んでいる。appear.inでお互いの部屋を常時カメラで繋ぎっぱなしにしてみたりなど実験的な生活を楽しんでいる。

通知をオフにする暮らし

去年、生活習慣として実践してみたのは「メールの通知をオフにする」でした。
前職ではメール文化だったことと、個人のメールアドレスも長年使っていると無駄なメールマガジンやスパムなどが増えていくもの。どうでもいいメールの通知でも気になってしまう。
通知をオフにしたからと言って、まったくメールを見なくなる訳ではないです。
自分が気になった時に、取りに行く、という感覚でメールを見ます。文字通りメールボックスを覗きに行きます。自宅の郵便ポストもどうでもいいチラシが入れられる度に呼び鈴鳴らされたらウザくないですか?

長年メール文化にどっぷりつかってきた人間だったら、通知をオフにしても結局数時間に一度はチェックしてしまいます。ただ、それでも「自分の意思で見に行く」というのが精神衛生上は良かったです。

緊急度で変わるコミュニケーション

緊急の連絡でメールって少ないんじゃないかと思います。
メッセンジャーや、Slack、LINEみなさん使ってますよね?
電話が緊急度で言えば一番高いでしょうか。

Slackも、業務で使うものなので、PCの前に居る時だけで充分かなと思ってモバイルはオフにしてます。
緊急度低いものから、通知系統オフにするだけで、少し気持ちにゆとりのもてる生活になる気がします。


おやすみなさい。

2つの名前を呼ばれることの嬉しさ

ネット上で名乗る名前として「灰色ハイジ」を名乗り出したのは14歳の頃。 30手前になってしまった私は、人生の半分以上をハイジとして過ごしてきた。 会社の名刺もハイジだし、少なくとも東京に来てから出会う人にはハイジとしか名乗っていない。

そんな私だけれど、実は本名をとても気に入っている。 本名はナミカと言うのだけれど、あまり同じ名前の人を拝見したことがなく、これはこれで自分のアイデンティティになっている。

どちらか一つに出来るものではない。別人格というほどでもないけれど、本名で呼ばれる機会がないので「本当の自分ってなんだっけ?」と存在意義を確認したくなることが無いわけでもない。

どちらも認めてくれる人が現れた

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そんな私の誕生日に、ハイジとナミカどちらにもメッセージカードが届いたのだ。 まったくの別の名前を名乗るほどじゃないにせよ、人にはいくつかの側面があるはずで、そのどれもが受け入れられるのは素敵なことだ。どれか一面じゃなく、すべての側面を合わせてようやく自分なのだから。

他人から見たらどうでも良さそうなこの一件も私にとっては涙が出るほど嬉しかった。

彼は今でも私の呼び名を使い分けて呼んでくれて、それがとても心地良い。

Home is not a house.

この2ヶ月程旅をしている。旅の最後に選んだのは京都だった。 大学4年間過ごした場所だ。

最近自分の拠点はどこにしようか、ということを考える。 地元はどこか?と聞かれれば両親と兄弟が住み、私も育った新潟だと答えることが出来る。

でも自分が帰りたいと思える場所はどこなのか。 実家はあくまでも両親のホームなのだ。 いま私は家を建てたり、マンションを買ったり、といった定住先を選びたい気持ちがまったくない。

しかし京都にきて大切な友人たちと話しながら思う。 私の帰ってきたい場所は京都だな、と。 大好きなお寺や神社を訪れながら、ここが私のリセット地点だと思うことが出来る。 そう、何も故郷は家じゃなくても良い。 京都のお寺は、何年後、何十年後に来てもまたあるんだろうな、という安心感がある。そこをホームだと思えることが出来て、大学時代に京都を選んだ昔の自分にGood jobと言いたい。

人生は決められたプログラムじゃつまらない

会社を辞めてからの私の生きる指標はもっぱら「面白い道を選ぶ」ことだ。

最近、同年代の子と話していると、この先どうしよう?という話によくなる。みんな5年後、10年後どうなるのかまったく見えていない。 指標となるような生き方もない。

でも私は思う。 10年後の自分の姿がハッキリ見えているなら、生きる意味があるのだろうかと。なんだかそれって詰まらないテレビ番組を再生しているだけじゃないのか。

人生たるものライブ配信で、事故はつきものだと思っておけば、なんだか楽しく過ごせそうな気がする。アーカイブになる頃にはきっと失敗も笑い話になる。そもそも自分の人生なんてどこにもアーカイブすらされていないのかもしれないのだし。

誰が決めたのか分からない社会の枠にハマって動けなくて苦しむくらいなら、ちょっと冒険してみた方が良いなと思っている。