去年はいろんなことがあり、退職の次に訪れた人生のイベントとしては、年に数回飲むかつてのはてなバイト仲間の友人 @hmsk が、気づけば突然婚約者になっていた。
女友達にこの話をすると「ハイジ、スキップしないで順を追って言ってよ〜」と言われるのだが、ことの顛末を語っても端折っているように思われるらしい。
ことの顛末はこう。去年の無職期間に私はいろんなところに旅行をしていて、そのうちのひとつとしてかつてのバイト仲間の住むサンフランシスコに行ったのだった。長年インターネットに関わる仕事をしている身として訪れたい場所だった上に、夏に彼が帰国した際、「あのサービスをつくっている会社が目と鼻の先で、あの会社はこんなところにあって...」などと自慢をされたら、気にならない訳がない。しかも無職という何ヶ月も時間がつくれるタイミングだ。「遊びにおいでよ」という社交辞令を社交辞令ともとらずに遊びに行った私。
旅行初日に嫌いなチーズの洗礼は受けたものの、約1週間の滞在中、観光案内や好きな企業へ遊びに行くのも付き合ってくれて、この旅を終えたら再び仕事頑張れそう、と元気をもらった。
アップデートしに牡蠣食べに来た。 @ EL CAPITAN pic.twitter.com/gEUhZfjjxc
— 灰色ハイジ / Haiji Haiiro (@haiji505) 2015年10月17日
何日めかの夜に、DiFaでもおなじみのゆかちゃん夫妻にPinterest社内を案内してもらいつつ、4人で牡蠣を食べた。
ほろ酔いの中、Swarmで呼びかけたところmiyagawaさん、higeponさんなどサンフランシスコに住む夫妻も何組か2軒目から合流する多幸感。素敵な夫妻に囲まれながら彼に「私たち以外はみんなご夫婦だね笑」なんて、言っていたりした。最終的に3軒はしごして結構酔ったな〜と思いながら帰っているときだった。突然プロポーズをされたのは。
たぶんこの辺りで、話を聞いている人々は「いやいや、突然って言ってもサンフランシスコに行く前とか、いい感じだったんでしょ」と思うらしいのだけれど、年に1・2回の彼の帰国の際にバイト仲間の数人でわいわい飲むくらいの交友関係だった。サンフランシスコの飲み会の場でも「彼の飼ってる猫に会うのが旅の目的の8割くらい占めてるんですよね」と呑気に言っていたりした。
それがだ。帰り道で突然「け、結婚?」と、既に酔っていて回っていない頭が真っ白になった。
それまで手だって繋いだこともないような間柄だったのに。
写真は嘘をつかない
この話をするとよく聞かれるのが「よく友人と恋愛関係になれるね」というもので、しかもこの発言をするのは決まって全員女性だ。
よく聞く話として、女の人は一度男性を友達フォルダに入れたらなかなか恋愛対象には見れないのかもしれない。
私も突然プロポーズされて返事をするまでに一番悩んだのはそこだ。人として大好きで尊敬する友人であることは間違いないけれど、恋愛としての好きになるんだろうか?と。
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いろいろ悩んだり考えた結果、帰国した2日後にはOKの返事をするのだが、決め手は旅行中に撮られた写真たち。滞在中、ずっと彼に自分のiPhoneを渡しては撮ってもらっていた。そこに写る自分の表情や、他の人に撮られた彼と並んだ写真を見て、なんだかしっくりきたのだ。自分の気持ちに人は知らない間に嘘をついてしまうこともあるけれど、写真は嘘をつかない。
大抵私は人と会うときは緊張した作り笑いが多いのだけれど、自然に笑った表情ばかりでこれが一生続くのならこんなに幸せなことってないかもな、と思った。
スタンフォード大学。めちゃくちゃ広くて良い環境だなー....!!
旅行中にアップしていた写真には「ハイジちゃん用のドローンがずっと飛んでるんだろうな」とコメントをもらったりもし、専属カメラ用ドローンと化していた彼。
初めからプロポーズであることの安心感
プロポーズだったから返事をした、というのも私の中では大きい。これが「付き合おう」だったらしばらく考えた挙句に断っていたかもしれないな、と思う。いきなりの海外遠距離恋愛、しかも3年以上人と付き合ったことのない私が、7年来の友人と恋愛関係になることで、友人関係すら終わってしまう可能性を危惧していただろう。
それが、一生居たいと思ってもらえる中で愛を築いていけるのは、恋愛よりも安心感があって良い。
順序は逆かもしれないけれど、プロポーズ後から恋人らしい付き合い方になった。
わああああ きのこ帝国のライブ帰りに婚約指輪のサプライズがあああああ
— 灰色ハイジ / Haiji Haiiro (@haiji505) 2015年12月9日
なにこれ最高の日か......! pic.twitter.com/ckkCcnHEsk
婚約したぞ!と去年の年末は当人の間だけで浮き足立っていたのだけれど、この週末に実家に二人で挨拶に行き、ようやく正式に婚約というステータスになった。
彼はまたサンフランシスコに帰ってしまうので、しばらくは遠距離結婚となる見込み。私はこれをリモートライフと呼んでいる。appear.inでお互いの部屋を常時カメラで繋ぎっぱなしにしてみたりなど実験的な生活を楽しんでいる。