灰色ハイジのテキスト

サンフランシスコで働くデザイナーの日記とか考え事とか

リモートライフを支えるサービス

婚約をしてからそろそろ10ヶ月ほど経とうとしているが、この夏ようやく2人の籍を作った。
私の婚約エントリーからバトンを繋ぐように結婚については、はまちゃん id:hxmasaki がエントリーを書いた。

籍を作ったその週の終わりには夫であるはまちゃんはサンフランシスコへと帰っていった。つまり新婚生活は早々に遠距離生活となった。
「遠距離恋愛」や「単身赴任」という言葉があまりにもしっくり来ないため、婚約当初から私は「リモートライフ」と呼ぶことにしている。そう呼んでいる為か、いわゆる同居をする新婚生活ではないかもしれないが、これが私たちの新婚生活なのだ、と胸を張って言うことが出来る。

リモートライフにあたって、この10ヶ月の間に2人でいろいろ試してみたことがある。

離れていても同居生活をする

apeear.in + Chromecastで常時部屋を繋ぐ

まず導入したのは、リモートワークでも導入しているであろうビデオチャットだ。
使用したのは、apeear.in。鍵付きの部屋を作っておき、2人のアカウントならばすぐに接続出来る設定にした。

贅沢にもカメラ専用端末としてNexus 5Xを使用。カメラとして使用しているだけなので、何でも良かったのだけれど、Chromecastに繋ぎたかったので、Android端末は好都合だった。Androidでapeear.inを立ち上げ常時自分の部屋をはまちゃんが見れるようになった。
はまちゃんの方も同様に、appear.inでサンフランシスコの部屋を写してくれている。
それをテレビの大きめの画面にChromecastで繋ぐと、隣の部屋にはまちゃんがいるような感覚を得られた。

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「部屋を常時お互い見られるようにするのって嫌だわw」というのがこの話を聞いた人の大抵の反応なのだけれど、もしこれが同居しているのであれば同じことではないだろうか?というのが私たちの意見だった。リモートライフにおいて、離れていながらどうやって一緒に住んでいるように設計出来るか、というのが私たちの課題だった。
また、これは同居の手前の実験にも使えると思っていて、カメラ越しに一緒にする生活に苦を感じない関係ならば、リアルに一緒に住んでもやっていけるだろう。

音声はLINEがいいぞ

映像を常時つなぎながらも会話したい時は、LINE通話を使用した。というのも、LINEが一番音質が綺麗だったのだ。途切れることもなくストレスが少ない。毎日通話を、数時間繋ぎっぱなしの生活を続けているけれど、本当に素晴らしい。
f:id:haiji505:20160822092547p:plain:rightリモートライフではテレビゲームも重要な一つで、スプラトゥーンを2人で一緒によく遊んでいるのだけれど、ゲーム中にもLINE通話はベスト。春からグループ通話にも対応するようになったので、かつてのはてなアルバイト仲間4人でタッグマッチを組みながらグループ通話もしてみたけれど、複数人で喋っても音質変わらず。感激した。
何やらLINEの宣伝のようになってきたけれど、通話は本当におすすめである。

→UIはこんな感じ。メインで話している人のアイコンがハイライトされて分りやすい。

クリスマスディナーもリモートで

2人で初めて過ごすクリスマスも当然海の向こうだったので、リモートでクリスマスディナーをした。
お互いにお酒を食事を用意して、顔を見ながらディナーを楽しんだ。時差があるので、日本の18時、サンフランシスコの0時とか、そんな時間帯だった気がする。
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クリスマスに限らず何度かリモートで家飲みを楽しんだ。
尚、appear.inの鍵付き部屋は許可していないユーザーが訪問すると「ノックする」という動作があるのが気に入っている。二人の部屋にリモートで友達も呼んで飲み会してもいいかもね〜なんてことを二人で語り合ったりもした。(結局まだ実現はしていない)

失敗点

尚、これを実践した月に電気代が1万円を超えたので、起動しっ放しのテレビが影響したのではと思っている...。リモートライフの為にはPC用の液晶ディスプレイの方が良い気がする。
また、Androidもカメラをずっと立ち上げたままだと熱くなって固まることもしばしばだった。
テレビ会議用の専用ハードなどを使えば良いのかもしれないけれど、個人で手軽に買える範囲だとまだまだ課題はあるのかもしれない。


一方、はまちゃんはChromebitを使用。快適そうだった。

ネットを介した現代の「ただいま」「おかえり」

物理的な距離と、時差によって訪れた困難は「いつお互いが家に帰っているの?」ということだった。些細なことのように思えるけれど、場所も時間も離れているといつ話しかけていいんだろう??と様子を伺うことが結構なストレスになることが分かった。

IFTTTを使って「ただいま」も位置情報で自動投稿

毎日話しかけるタイミングが掴めるようにと、お互い小まめにやりとりしていたが、「ただいま」や「行ってきます」などの発言がルーチンワーク化してきた。
そこで、IFTTTのアプリを使用することにした。IFTTTのアプリ版ではiOSの位置情報をトリガーにすることが出来る。
自宅を出たら「行ってきます」、近づいたら「ただいま」をSlackに投稿するIFTTTレシピを作った。

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挨拶すらもbotにしていくのは私たち夫婦らしくて気に入っている。

しかしこれも位置取得の精度やタイミングがまだ微妙で、うまく送信されないことも多々あるのが課題だ。

リモートライフで感じる家族の形態

リモートライフを経て結婚して良かったことは、物理的に離れていることで、2人の絆をどうやって築くのか?ということをお互いに考えられたことだ。
本来距離が近くても考えるべきことを、離れることで強制的に"考えなくてはいけない"環境になったのだ。
今後も数ヶ月ごとに日本かアメリカで会いながら、リモートライフは続きそうだけれど、最初から離れていたのできっと今後何があっても大丈夫だろうという気がしている。
リモートワークが、物理的な距離を越えてどう一緒に仕事をするか?ということを考えるきっかけになったように、リモートライフを通じて、現代の家族の在り方を考えていけたら良いなぁと思っている。