Tradecraftでの主な活動はクライアントプロジェクト。ベイエリアのスタートアップのオリエンを聞いて、ユーザーリサーチ、プロトタイプ、検証を1プロジェクトあたり1ヶ月くらいでこなす。 先週はとても忙しかったのだけれど、無事に2つのプロジェクトが終わった。 現在ポートフォリオのリニューアルを進めていて、そこに携わったプロジェクトも載せる予定。各プロジェクトの紹介はいずれまとめたいと思っているのだけれど、終えてみての要約と感想を書き記す。
Laughly
コメディーに特化したストリーミングアプリ。現在はAlbumやPodcastなどの音声で、今後動画フォーマットを追加すること、またサブスクリプションのモデルを変更するにあたってそれをどうUIに落とし込むのかというのが課題だった。
このプロジェクトが私の最初のプロジェクトだったこともあり、最初のMTGでとても緊張したことを覚えている。チームの議論に入るのが怖かったのだ。(今以上に1ヶ月前は英語を聞き取るのが難しかった)プロジェクトは最初にオリエンを聞いた後、興味のある人が挙手して参加するのだけれど、サンクスギビング、クリスマス前のタイミングで入った私たちはちょうどプロジェクトが少ない時期だった。そのせいか久々にやってきたこのプロジェクトは参加希望者が多く総勢10人のデザイナーが参加するという大所帯となった。
楽しかったのはDesign Studioと呼ばれる、全員でペーパープロトタイピングをして投票して設計を決めるワークショップ形式の方法。5-10分という短い時間で全員でアイデアをスケッチし発表、2ラウンド目はみんなのアイデアから良いと思ったものを盗んで再度スケッチ、そして投票してみんなの合意で良いと思ったアイデアを絞り込んでいく。Laughlyは必要な画面数が多かったので機能ごとに分けて行った。事前に時間の設計を行い90分に収まるように各ラウンドの時間は組み立てた。 Design Studioは日本語の情報がぜんぜん無かったのだけれど面白いのでこれもまたいつか記事にまとめてみたい。
手書きスケッチやワイヤーフレームをLo-fi (Low fidelity)、Sketch appなどで綺麗に作り込んだデザインをHi-fi (High fidelity)と呼ぶのだけれど、Lo-fiとHi-fiはそれぞれデザインが完成した後でユーザーテストを行い、その結果を元に再度作り直している。Tradecraftのプロジェクトは大体どれもそのようなステップで行っている。人によって作るのが好きな人、リサーチが好きな人のグラデーションがあるので、この方法によって割と満遍なくみんなが作業できるのに加えて、フレームワーク化されることによって次に何をしたら良いのか明確になるので良い。
Finery
自分の持っている服を管理するワードローブサービス。面白いのは、各ECのアカウントと接続すると自動で買ったものがFineryに追加されるところ。
課題はダッシュボードのリニューアル。ビジュアルデザイナーはいるけれどUIデザイナー不在のスタートアップで、依頼を受けた時は、モバイルでデザインが破綻していたり、デザインルールが存在していない状態だった。存在するコンポーネントを集めて、デザインルールを新たに定めた。
以前からファッション関係のデザインがしたいと思っていたので嬉しい。途中でダッシュボードに掲載する内容を当初のオリエンからまるっと変えたいとの要望がクライアントから来て、締切がタイトになったこともありプレゼン前日に4人でほぼ徹夜になりながら作業をしたのも良い思い出...。深夜にSlackで遠隔で確認&議論しながら作業を進めてちょっと青春感じた。やってることは世界で変わらない。
デザインのバージョン管理
5-6人のデザイナーで同じSketchファイルを操作するのでどのプロジェクトでもAbstractを使っている。前に夫と2人で試した時はあまりその恩恵にあずかれなかったのだけれど、大人数の人が触る可能性がある&同時に操作する可能性があるプロジェクトにはとても良いなと思った。
この2つのプロジェクトで嬉しかったのは良いメンバーに恵まれたこと。中でもTeaという子は一緒に作業がしやすく楽しかった。ツールの知識やデザインのレベルが近いと、あまり言葉を多く話さなくても円滑に進めることが出来た。彼女とはいつか一緒に仕事がしたい。