2025年 退職と転職

退職

約7年勤めた All Turtles を9月に退職した。

All Turtles は私が初めて勤めたアメリカの現地企業だった。

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アメリカで、ブランドとプロダクトのデザインを兼務することは珍しいのだが、ありがたいことにどちらもやらせてもらうことができた。初めての仕事は、新しく立ち上げるプロダクトのロゴデザインだった。その後プロダクトのデザインも複数関わった。組織が大きくなるに連れて、最初はただの「デザイナー」だったものが、ブランドとプロダクトが組織上違う部署になり、肩書きが「プロダクトデザイナー」になった。肩書きは変わっても、相変わらず両方やることが多く、むしろ肩書きはプロダクトなのに、ビジュアルやブランドのデザインをする機会の方が増えていった。最後の2年間は、ブランドデザイナーとして、自社プロダクトのmmhmmのマーケティングサイトを主に手掛けていた。

ブランドデザインは、フリーランスの仕事をしていた時に新しく作る会社のロゴをお願いしたい、という依頼が複数あり、やり始めることになったという経緯がある。そのため、組織の中でブランドデザインの仕事をするのは初めてだったので、とても良い経験になった。小さい組織のためか、デザイナーがプロジェクトのマネージメントをする性質があったため、ただ作るだけではない仕事の進め方を学ぶことができた。

転職活動

転職を考え始めたのは2年くらい前から。きっかけは会社の新しい方針が発表された時に人が辞め、一番慕っていたマネージャーも退職してしまったことだ。それも一人ではなく、短い期間で自分のマネージャーが次々と変わっていった。もちろん同僚が辞めたからと言って自分も辞める、というのでは短絡的な思考だが、方針に合わないという理由で辞めていく同僚を見て、そういう選択肢もあるのか、と思った。

All Turtlesはアメリカで経験した唯一の企業だった。入社時に日本展開を目指すプロダクトのプロジェクトがあったため、サンフランシスコに居る日本人デザイナーが重宝されたであろうことも容易に想像がついた。他のアメリカの企業、それも日本にまったくゆかりのない企業でも私はやっていけるのか、ということを転職活動を通じて確かめたかったというのも、転職の理由の一つだった。

そこで、ちょっとずつ気になった会社に応募したり、LinkedInWellfoundなどのプロフィールを更新し、リクルーターとの会話へと進んでいった。アメリカでの初めての就職活動よりも実績を積んで、前よりもうまくいくだろう、と最初はとても楽観的に考えていたのだが、徐々に現実に直面する。ハイアリングマネージャーとの会話の後にお祈りメールが来たり、うまくその後に進めても最終的に落ちるということが何度も続いた。

転職活動で落ちる度に落ち込み、どんどん自信を無くしていて、それは面接時の受け答えにも影響していたと今では思う。

今いる会社でも成長をしないと次に繋がらないと思い、昇進を目指して奮闘し、Principal Visual Designerという肩書きに最終的になることが出来た

転機が訪れたのは、今年の4月。突然GrammarlyのVP of Designから連絡が来たのだった。LinkedInに投稿した私の仕事の内容が、ちょうどGrammarlyでの状況と似ていたことと、ビジュアルデザインに強いプロダクトデザイナーを探していたことが理由だった。

Principal Designer という肩書きがついたことで、少し自信がついたことや、自分から応募をした訳ではないので、何としても受かりたいというプレッシャーが弱かったのか、最初の面接はそこまで気負いせずに話をすることができた。しかし Grammarly の面接はポートフォリオプレゼン、ホワイトボードチャレンジ、1:1の面接が他に数回あったため、進めるごとに受かりたい!という気持ちが強まっていった。面接にかけた時間がそれなりにあるのと(子供の夏休み中、ちょうど両親が遊びに来ていたので、面接中に見てもらったりした)、面接をした人たちと和やかに会話が進んだためだ。

面接はこれまでに受けた会社で1番長く、最初に連絡を受けてからオファーをもらうまでに4ヶ月もかかった。その間に他の会社とも話を進めていたが、最終的に Grammarly からのオファーを受けることに決めた。

2年間の転職期間中、自分の方向性が定まらず、プロダクトデザイナーとブランドデザイナーのポジション両方に応募していた。面接を繰り返す中で気づいたのは、どちらか一方じゃなく、どちらにも関われるかつプロダクトデザインの比重が大きい仕事が一番やりたいこと、ということだった。Grammarlyのポジションは、その理想に近い形だった。

入社、そして社名が Superhuman に

10月から、Grammarly でStaff Product Designer として働いている。入って数週間で社名変更があり、Superhuman になった。

サンフランシスコにメインのオフィスがあり、週2、3日通っている。一緒に働くメンバーの何人かはシアトルやポートランドなど違うエリアに住んでいるので、オフィスに行っても通話が多くなってしまいがちだが、それでも通話ブースや、オフィススナックが充実しているので、家よりも働きやすい。長らくリモートワークだったので、人に会えるのが嬉しい。

ちなみに "Staff" という職位は日本では聞き馴染みがないが、そのことについてデザイナーの英語帳のニュースレターで触れている。 eigo.substack.com