春から通っていたBAPA。
BAPAはプログラマー、デザイナー、プランナー、映像制作etcさまざまな技能をもった人が集まった数ヶ月の学校。 2回目の授業にして早くも卒業制作のグループ分けが発表される。 その時まで何の接点もなく顔も名前も知らなかったメンバーと。 4,5人のチームが全部で9組できあがった。
卒業制作は2020年のライブエンターテイメントを考える。 アイドル・虹のコンキスタドールのライブ演出をするというお題だ。
私たちのチームは中間プレゼンで企画を決めるまですごく時間がかかった。 (自分はプランナーとして参加している。企画プレゼンの場では負けられねぇ・・・!というプレッシャーがあったとかないとか。)
更には途中、胃を壊して入院したりもして、デザイナーでもあるのに作業もストップしてしまいメンバーには迷惑をかけたりもしつつ。
なんとか決まった企画は「EXCITOSS!!」(エキサイトス) かっこよく英語名にしているけど、まぁ玉入れである。
卒業制作の条件は、インタラクティブであること。
ライブにおける入出力をたくさん書き出してみて、生体情報をとってみるとかいろいろあった中で、「手をあげる」というシンプルな入力に至った。何よりも「手をあげる」という行為は、実はそこに何の演出がなくても楽しい。
ライブには虹コンのファンと、BAPA自体に興味を持ってくるお客さんに分かれるということは大分最初の段階で聞いていたし、予想されていたことだった。虹コンの曲を知らない人にどうやったら手をあげてもらえるのか?ということを考えたときに、誰もが知っている「玉入れ」がフッと出てきた。
しかも、虹コンには赤組・青組があるというではないか。 これはもう玉入れしかない・・・!そう思った。 毎日が文化祭!を掲げる彼女たち。ライブは運動会でも良いんじゃないか。
さて。ではその企画をどう実現するのか。
冒頭のさまざまな職能の話。そう。この卒業制作はほんとうにすべてをメンバーの力で作り上げなくてはいけない。
私(プランナー/デザイナー)、高橋くん(プログラマー/デザイナー)、りょうさん(プログラマー)、だいすけさん(映像制作)といったメンバー。
ライブ会場のお客さん全部の手の反応をとるにはどうしたら!?というところで、私たちはkinect4台を天井に吊るすことになった。 さらに、途中でアイドル側にも邪魔タイムをつくろう!ということになって合計6つのkinectを吊るしている。
センシングとビジュアライズ用のマシンは合計8台に・・・!それぞれの数台のマシンを持ち寄って。(4人のメンバーでよくマシン集められたな...と思う)
私たちの入力は手をあげる。でも300人の手なんて事前に用意出来ないから、300人のセンシングは本番一発しか出来ない。 ちゃんと動くのか何度も何度も何度も試しても不安だったし、本当にみんな手をあげてくれるかなぁ!?ということも不安だった。
いくらシミュレーションしてもライブは本番にしか再現性がない。
でも説明パートで舞台にあがったとき一気に不安が消し飛んだ。 舞台からみたお客さんの様子は圧巻だった。みんなめっちゃノリがいい!!
興奮したまま舞台裏に行ってライブ本番。
そこには嬉しい光景が広がってた。 後ろの方の人たちまでみんなが手をあげてくれてる。
(私たちのチームはレーザーを使いたい!と思って自分たちでレーザーも発注。レーザー入れて良かった!!)
玉入れしてる。 #BAPA pic.twitter.com/FK1mgUredL
— しおみさん🐈 (@NaitoShiomi) 2015年7月20日
私たちはトリだったので、終わったらお客さんの投票タイム。 舞台裏で興奮と安堵としていたら、「3位 EXCITOSS!!」の言葉が聞こえたけど、ちょっとポカーンとしてしまった。
「あ。そうか。これ競ってたんだっけ?」
あまりにも楽しくて、チーム間で順位とかほんとうにどうでもよくなってて。舞台裏で他のチームの演出をみんなが見守ったり、「やったー!本番うまくいってるね!!」「お客さんめっちゃノッてるよ!」とかそういう言葉がずっと飛び交ってて。
たぶん。入学式のときはみんなギラギラしてて、中間のときもギラギラしてて、「他の人には負けない!!」とかあったんだけど、本番になったらみんな見守ってて。表舞台の裏側で、生徒みんなの一体感もほんとうに凄かった。
私は、会社の同僚にも「ハイジちゃんは泣かないもんね〜」とかとよくからかわれたりするくらい表情に乏しいんだけど、終わったとき涙がこみ上げてきたし、めっちゃ笑った。
虹コンのファンになった。
虹コンとのリハは実は事前に1回しか無かった。そこまで打ち合わせもまったくなし。こちらの企画説明資料と、演出シート(このタイミングでこんなことして欲しいといった)を提出したのみ。
なのにリハでこちらが想定した流れを汲んでくれて・・・どころかそれよりも良いものになってて。あとで、もふくちゃんに聞いたら、事前にちゃんと彼女たちの中で練習してくれて。彼女たちの中でのベストな演出を考えてくれて。
だって9チームそれぞれまったく違う演出で、これまでの踊りや段取りだって変えなくちゃいけないのに!
本当に彼女たちはプロのアイドルで、すごく感激した。 いままで可愛い〜という感じでアイドルの子たちを見ることはあったけど、そこに至るまでの様子を垣間見て本当に感激した。
曲も制作中ずっと聴き続けて、頭から離れなくて、でも聴くほどハマる。
作る過程でどんどん好きになって、好きになって欲しい!という気持ちで作って、楽しいライブに出来たと思うし、みんなが楽しい空間になったならそれは奇跡だなぁ。
青春は胸張って いいのだーーっ !!! ぜんぶ ユメでも いいのだーーっ !!!